ソーシャルネットワーク分析を用いた
ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)を活用した地域の専門職のネットワークの探索

BMJ Family Medicine and Community Healthに論文がアクセプトされました。

Haruta J, Tsugawa S, Ogura K
Exploring the structure of social media application-based information-sharing clinical networks in a community in Japan using a social network analysis approach
Family Medicine and Community Health 2020;8:e000396. doi: 10.1136/fmch-2020-000396

目的:地域包括ケアシステムの構築が求められる本邦において、地域の様々な職種・患者・住民・家族・行政などと協働するためのソーシャルネットワーキングサービス(SNS)の使用が増加しています。しかし、地域包括ケアシステムにおけるSNSを用いたネットワークについて報告した研究はほとんどありません。ネットワークの構造的特徴を明らかにすることは、参加者の情報共有ネットワークの構造的理解を深め、臨床の場においても円滑な連携につながる改善案を提供する可能性があります。この研究ではSNSを用いた地域の医療福祉専門職間の情報共有ネットワークの構造を探求することを目的としました。

方法:日本青森県のX市で活用しているSNSを使ったソーシャルネットワーク分析を実施しました。

データ収集:2018年1月から12月に在宅医療またはケアサービスを受けている患者にリンクされたSNSでつながっている医療福祉専門職間のネットワークデータを分析しました。医療福祉専門職が患者ごとにSNSを通じてメッセージを投稿および受信できるように登録され、患者ごとに医療福祉専門職間のネットワークが構築されました。

データ分析:患者グループに登録されている医療従事者はノード、メッセージの投稿/受信の関係を患者ネットワークのリンクとしました。ノード間の投稿リンクと受信リンクの数をそれぞれ反映する、入次数(メッセージの投稿)と出次数(メッセージの受信)、中心性を含むいくつかの測定値を使用して、ネットワークの構造特性を調査しました。さらに、ネットワークで中心的な役割を持つ職業を特定するために、最も中心的なノードを形成する専門職をランキングで調査しました。最後に、介護レベル1〜3(軽い介護要件)と介護レベル4〜5(重い介護要件)のネットワークを比較するために、ネットワークの構造の違いを分析し、中心性を使用して専門職の役割を調査しました。

結果:844のネットワークのうち、介護レベルのデータがある247のネットワークを分析しました。介護レベルが高いほど、より高い密度、相互性、およびより低い集中度(中心性のばらつきが小さい)を示しました。入次中心性の高い医療従事者(医師、介護福祉士、理学療法士)は、出次中心性の高い医療従事者(ヘルパー、理学療法士、管理栄養士)とは異なりました。より介護度が高いネットワークにおいて、訪問看護師と診療所の看護師は中心的な役割を果たしていましたが、訪問看護師は入次数集中度と出次数集中度が高い傾向があり、診療所の看護師は近接集中度と媒介集中度が高い傾向にありました。

結論:SNSを使用した情報共有ネットワーク構造は、さまざまな職業が何らかの形で中心的な役割を果たしていることを示しました。ネットワーク構造と患者の転帰、費用対効果、およびその他の要因との関連については、さらに調査する必要があります。